ワイドの本棚

【ワイドの本棚】『空気のつくり方』(池田 純:幻冬舎)

【ワイドの本棚】『空気のつくり方』

2017年プロ野球ペナントレース3位から怒涛の強さでクライマックスシリーズを勝ち上がり日本シリーズではソフトバンクホークスと熱戦を繰り広げた横浜DeNAベイスターズ。

若手主体のチームがラミレス監督のデータに基づいた思い切った采配によって大躍進を遂げた一方でチームを取り巻く環境(球団)も大きく変化したように感じました。

そこで手に取ったのがこの本です。著者は横浜DeNAベイスターズが創設された2011年から2016年まで初代社長として活躍されました。

顧客の”空気”を知る

本書の中では横浜DeNAベイスターズがどのようにして5年間で観客数65%増(110万人→181万人)、黒字化を達成したかなど実際の取り組みをもとに”空気”という表現を用いて書かれています。

マーケティングの観点から”空気”をつくるには顧客、社会の”空気”を正しく理解する必要があり、その礎となるのがデータであるとしてデータから新たに獲得できる層、効果のある層を的確に捉えて、しかけた様々なアプローチが紹介されています。

なかでもこれまで野球が好きで当たり前のように見ていたプロ野球をビジネスとして考えたことなかった私にとって特に興味深かったのは市場の拡大という観点で、従来通りの野球が好きなファンをターゲットとするのではなく野球観戦を映画館や居酒屋やコンサートといった娯楽として友人や恋人、家族と楽しい時間を過ごすことのできる場として再定義することで新たなマーケットと捉えてアプローチしたという点でした。
ファン層を広げ、様々なコミュニケーションを行うことでこれまでの固定観念ガチガチの野球観戦とはまったく異なる”空気”をつくり出せたのはスゴイとしか言いようがありません。

“空気”をつくる組織づくり

また、”空気”をつくる組織づくりについても書かれています。

内容的には経営者やマネジメント層を意識した内容とされていましたが中堅社員である今の私とっても意識すべきと考える言葉がありました。

自分以外の人にできることは、できる人にやってもらい、
自分にしかできないことに、自分の時間を使うことが大切です。

ついつい自分がやったほうが早い、指示が面倒、任すのが怖いなどの理由で自分で背負いこんでしまいがちですが
今の自分が会社やグループのために本当にやるべきことは何なのかを常に意識していく必要があると感じました。(スケールは違いますが。。)

まとめ

本書を通じて、私が感じたのは自分が何の”プロ”であるのか、もしくは何の”プロ”になりたいのかを明確に持つことの大切さです。

目的のために自分に何ができて、何ができないのか。自分ができることについてはとことん考えて、考え抜く。
その先にだけ、誰も考えられなかったような成功がある。これからキャリアを重ねていく中で軸となる部分を横浜ベイスターズをいうチームを通じて教えてくれた
“カッコイイ”一冊でした。

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