アップUP通信

総務グループのアップUP通信2月号 Vol.88

2月16日より大阪市立美術館で「フェルメール展」が始まります。 “日本初公開の絵がある””東京では約2ヶ月で入場者数40万人を突破した”など、何かと話題になっていますね。関連した小説や映画もヒットし、ファンも 多い「フェルメール」。今回は、その人気の一端にふれてみたいと思います。

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer/1632-1675)

なんと15人のパパ!

17世紀にオランダで活躍した画家。当初は物語画家として出発したが、やがて1656年「取り持ち女」の頃から風俗画家へと転向していった。映像のような写実的な手法と綿密な空間構成、そして光による巧みな 質感表現を特徴とする。本名ヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフト 。現存する作品点数が少ないことでも有名。代表作は「牛乳を注ぐ女」「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」など。

 

フェルメールはデルフト市の芸術家専門ギルド(職人組合)に所属した職業画家で、パトロンや 愛好家たちの注文により絵を描いていました。20代後半で画風を確立し、43年の生涯で37枚 (36枚ともいわれる)の絵を描いたとされています。その作品は世界中の美術館に所蔵されていますが、 アメリカだけでもワシントンやニューヨークに15点あり、オランダはもちろんパリ、ロンドン、ウィーン、 ベルリンなど・・・作品を全部観るために世界を旅するというぜいたくな本も出版されているほどです。

フェルメールの絵には、窓から入る光が印象的で静けさに満ちている絵が多いですが、ずっと動きが続いて いるようにも見える人物・・・アムステルダムにある「牛乳を注ぐ女」のミルクは永遠に注がれているようだと評されたり、ロンドンにある「ギターを弾く女」は少女が弾いているコードまでも想像出来ると言われています。 手紙というさりげない小道具もよく使われていて、ドレスデンにある「窓辺で手紙を読む女」、ニューヨークの「女と召使」、ダブリン「手紙を書く女と召使」、ワシントン「手紙を書く女」など、人物の繊細な心の動きを よく現しています。

 

「フェルメール・ブルー」は宝石☆彡

フェルメールの絵に見られる鮮やかな青は「フェルメール・ブルー」と呼ばれ、350年を経た現在もほとんど劣化していません。これは細かく砕いた宝石で描かれているから。ウルトラマリンブルーと呼ばれるこの絵の具は、不純物が取り除かれた「ラピスラズリ」から作られています。通常の100倍もする貴重で高価なウルトラマリンブルーは、聖母像など特別な限られた対象にのみ使われるのが常でしたが、フェルメールは惜しげもなく「真珠の耳飾の少女」の少女のターバンなどに使いました。借金も多く生活に困窮していたといわれるフェルメール。もしかしたら、絵の具が原因なのかもしれませんね。

 

その頃、日本では?

長く続いた戦乱の世が終わり、徳川氏による平和な時代がスタート。 フェルメールの絵が商人や市民社会に受け入れられたように、日本でも「浮世絵」などの風俗画が流行しています。  また、貿易では伊万里焼がオランダに多く輸出され、ヨーロッパ各地にも流布しました。その後、オランダではデルフト焼が盛んに作られるなど、相互の影響は小さくはなかったようです。

 

フェルメールとレーウェンフック

同じデルフトの町で同じ年に生まれ同じ教会で4日違いで洗礼を受けたと言われる“レーウェンフック”。 「微生物学の父」と呼ばれ、レンズを使った顕微鏡を 発明したことで有名です。

フェルメールの絵の特徴ともいえる室内の遠近描写、光の当たり方、人物の瞬間の切り取り方などは、カメラオブスクーラ(針穴写真機に似た光学装置)を用いているのではないかと言われています。 そして、それをフェルメールにもたらしたのはレーウェンフックではないか、と。また、フェルメールの絵「天文学者」「地理学者」のモデルでは?ともいわれています。2人が幼馴染で親しい友人だったと想像すると、なんだか楽しいですね。

 

出典:wikipedia、サライ、「フェルメール全点踏破の旅」朽木ゆり子、「フェルメール光の王国」福岡伸一

作成:株式会社ワイドソフトデザイン_akiko

 

 

 

 

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