アップUP通信

「狛犬」について調べてみたよ(通信1月号Vol.75)

こんにちは!ふくちゃんです。

みなさんは、年に何回神社にいきますか?
もしかしたら「初詣の時だけ」という人も多いのではないでしょうか。

私は神社が好きです。
ワイドのぶらりブログで三宮神社を紹介しているぷかぷかさんと神社部を作って、
1カ月に1度、ひたすら神社をめぐっています。
古事記を読んで神様のことを調べてから神社に行くと、更に楽しいんですよ♪

さて、そんな神社にかかせないのが狛犬。
今回のテーマは狛犬です。

狛犬の前ってつい素通りしがちですが、ちょっと調べてみると、結構面白いのです。
狛犬についての豆知識を知って、是非、初詣で披露してください♪

狛犬って何犬?

邪気を祓い、神前を守護する狛犬。もしかして「口を開けた犬」と「口を閉じた犬」だと思っていませんか?
狛犬は、向かって右が「獅子」で左が「狛犬」という、それぞれ空想上の霊獣。
つまり、犬ではありません。

飛鳥時代、中国で皇帝の守護獣として定着していた「獅子像」を見た遣唐使が、日本に持ち帰り、
天皇の王座を守る守護獣としたのが始まりです。
ただ、シンメトリーを好む日本文化特有の気風や美感覚が、左右に獅子を置くのを嫌がり、
更に仏教の「阿吽(あうん)」を取り入れて、片方が日本オリジナルの「狛犬」になったのではないかと考えられています。
その後、時代を経てだんだんと獅子と狛犬の区別が曖昧になり、阿吽共に獅子に近い形状のものが増え、
逆に呼び方は「獅子・狛犬」の獅子が消えて現在の「狛犬」に定着したようです。

向かって左側が「狛犬」

・口が閉じている
(吽像/吽形(うんぎょう))

・角がある

向かって右側が「獅子」

・口が開いている
(阿像/阿形(あぎょう))

・角がない

 

※ふくちゃんの覚え方を特別にお教えします♪ 「うっしっし(右っ獅っ子)」と笑っているほうが 獅子です!

狛犬の先祖はスフィンクス?

時代は古代オリエントにまで遡ります。
国王が強大な力を得るために、地上最強の動物である獅子(ライオン)の力を王に宿らせるという思想があり、
玉座の肘掛けに獅子頭を刻むようになりました。
ヨーロッパの家紋にはライオンが多いですし、プジョーのエンブレムもライオンですね。
それが、だんだんインドや中国に伝わっていったと考えられています。
インドでも、仏像の台座にライオンを刻んでいる例がありますが、これも仏様を守る役割があるのだそうです。
古代エジプト王家のシンボル・スフィンクスは、ライオンの身体と人間の顔を持っていますので、
狛犬の遠い先祖だと考えると、ちょっと楽しくなりませんか?

 シーサーは狛犬?

 シーサーとは沖縄の方言で、獅子のことです。つまり、狛犬ではありません。
「阿吽」になっていたりいなかったり、オス&メスのカップルだったり、親子だったり、
一対ではなく何匹も並んでいたり、狛犬と比べるとかなり自由な感じです。
意味合いも、村を守る、家を守る、火事を避けるなど、より庶民的な信仰と結びついているため、
神社に限らず、一般家庭の屋根や壁の上でも見かけることができます。

なぜ神社にいるの?

最初、狛犬は宮中のものでした。
次に天皇家と縁のある有名な神社へ伝わり、さらにだんだんと一般の神社にも入っていったと言われています。
日本古来の“神道”では、必ずしも形のある神を祀るわけではなかったのですが、
仏教の影響を受け、仏像に代わるものとして「神像」が誕生しました。
当時、神像は生き神としての天皇を模したものでしたので、
その神像を守る霊獣として狛犬を置くようになったと言われています。
すでに、宮中では天皇の守護獣として獅子・狛犬が定着していましたので、自然な流れだっだのかもしれませんね。

犬みたいな狛犬がいるのはどうして?

古い狛犬は宮中や格式の高い神社の社殿内にあったため、庶民には見られませんでした。
昔は写メも撮れないし、そもそも画像なんてなかった時代です。
狛犬を見たことがない石工が、見た人から「こんな形だった」という情報を得て、後は想像で彫っていたそうです。
そのため、足長タイプ、四つん這いタイプ、秋田犬タイプ、くせ毛タイプ、越前禿タイプなど
様々な狛犬が生まれ、地域の特徴もありました。
しかし、昭和40年以降は大量生産されるようになり、日本全国、同じ形のものが増えました。

狛犬マニアの方によると、見てがっかりする狛犬と小躍りしたくなる狛犬があるそうです。
面白いですね。


こちらは、抱かれたい獅子№1、三宮・生田神社の獅子です。(注:ふくちゃん調べ)
細マッチョでかっこいい♡
生田神社の末社の狛犬はまた全然違うタイプなので、
是非見に行ってみてください。

たまに見かける兎や狐像は狛犬の仲間?

時々、狛犬ではなく兎や狐など動物の石造を見かけますね。
あれは、「神使(しんし)」といい、神様の使い、秘書役、伝達役です。
狛犬は神使ではなく「守護獣」ですので、役割が違います。
狛犬は「コマの犬」ではなく「コマイヌ」という単独の霊獣ですので、
神使を「コマ○○」と呼ぶのは間違っているのです。


いかがでしたか?
もしかして、急いで狛犬を見に行きたくなっているのではないでしょうか。
今度から神社に行く時は、是非、狛犬にも注目してくださいね。

作成:株式会社ワイドソフトデザイン//出典:狛犬分類学、100万人の狛犬講座、日本文化研究ブログ、神社本庁、京都国立博物館、素材Library.Com等

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